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【本当は怖い】ひこうき雲(松任谷由実)


初めて飛行機に興味を持ったのは幼稚園の頃、ポケモンジェットを見てからだった。
それから飛行機の載っている図鑑を買い集め、航空博物館に入り浸って資料室に日がな一日いたっけ。
中学ぐらいには夏休みに飛行機で旅行して、マイルを貯めるのが趣味になった。
CAさんには名前と顔を覚えられて、旅行先で仲良くなったよ。
大人になったら航空会社に就職しようと思っていた。

だけど生まれつき病弱で、いろいろな病気が見つかって入院することになった。
病室の窓からは羽田空港から飛び立つ飛行機がちょうどよい角度で見えた。
知り合いのCAさんの計らいで、最高のロケーションの病院を紹介してもらったんだ。
羽田からは5分に一回、飛行機が飛び立つ。
フライトスケジュールを事前に調べておけば、航空会社や機種、行き先もわかる。
いつか良くなったら、また旅をしたいな。

毎日空を見てても少しも飽きが来ない。
みんなは日常生活で空を見ることなんてある?
空を見ているといろいろな発見がある。
ひこうき雲はいつも必ず発生するもんじゃないらしい。
気温差?
天気?
気圧?

いつしかぼくはひこうき雲を見つけては写真に撮り、天気や気温の情報と共に、ひこうき雲の長さや時間で分類する作業に没頭した。
まとめたものはホームページに載せたから気になる人は見てほしい。
何かの資料になるかも?

でも、だんだん体が痛くなって、動くのがつらくなってきたんだ。
何日か昏睡状態に陥って、また目覚めてを繰り返していた。

そうだ。
もし、ぼくが死んだら、ひこうき雲になりたいな。そしたらみんな空を見上げてくれるでしょ?
つらい時や悲しい時に、空を見上げて、ひこうき雲をみつけたら、ぼくが空の上でがんばっているよ、ってメッセージになるかな?

 

 白い坂道が 空まで続いていた
 ゆらゆらかげろうが あの子を包む
 誰も気づかず ただひとり
 あの子は 昇っていく
 何もおそれない そして舞い上がる

 空に 憧れて 空を かけてゆく
 あの子の命は ひこうき雲

 高いあの窓で あの子は死ぬ前も
 空を見ていたの 今はわからない
 ほかの人には わからない
 あまりにも 若すぎたと
 ただ思うだけ けれどしあわせ

 空に 憧れて 空を かけてゆく
 あの子の命は ひこうき雲

 空に 憧れて 空を かけてゆく
 あの子の命は ひこうき雲

 

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